代償動作を考えてみる

~正しいカラダの使い方~

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こんにちは、パーソナルトレーナーの岩長(いわおさ)です。

簡単に、私の自己紹介をさせていただきます。

 

私は、大学でスポーツ健康科学を学び、スポーツ整形外科病院での勤務経験後、アスリートのコンディショニングコーチを歴任し、現在、ファーストクラストレーナーズのプロインストラクターとして、クライアント様、及びトレーナーのコンディショニング研修を担当させていただいております。

 

 これまで、多岐にわたる競技スポーツ選手のフィジカルを担当させていただいた経験から、スポーツの動作改善を得意分野としています。

 私の経験を通じて、皆様にお伝えしたいことは山ほどありますが、パーソナルトレーニングをお考えのお客様にお伝えしたいことがあります。それは、「代償動作」です。

 

突然、専門用語が出てきましたけど、簡単です。「代償」かわりにつぐなう「動作」うごきです。それでは、説明していきます。

 

普段運動している方も、そうでない方も、「トレーニングを行うにあたって最も大切なこと」とは何だと思いますか?

 

より重い重量を挙げられることでしょう?

より多くの回数、セット数をこなすことでしょうか?

 

私が大切にしているのは「動作の正確性」です。

トレーニングの動きを理解し、確実に狙ったポイントへ負荷をかけることは、トレーニングにおける目的達成という観点からもとても重要になります。

 

当然のことですが、実は難しいところでもあります。

トレーニングにおいて、こんな経験はないでしょうか?

 

「トレーニングしてみたものの、どこに効いているのか?いまいちピンとこない!」

 

または、

 

「このやり方、動かし方、正しいの?いまいちピンとこない!」です。

 

実際にトレーニングをやってみると、お手本を見ながら実施しても狙ったポイントに負荷をかけることは一筋縄ではいかないことを実感します。

 

何故、お手本通りに実施しているのに刺激をしっかり感じられないのでしょうか?

 

その原因の一つに、冒頭に出てきました「代償動作」というものがあります。

代償動作とは、筋肉の強さや身体の柔らかさに限界が生じてしまい、身体のコントロールが上手くいかず、正しい動作ができない時に、主として動いてほしい筋肉や関節ではない部分を利用して起こる、逃げてしまうような動作のことを言います。

 

実際に体験してみましょう。その場で両手を大きく挙げ、バンザイしてください。

そのまま鏡を横から見てみてください。多くの人が腰をのけ反ったような姿勢になっていると思います。これが代償動作です。本来であれば、両手をバンザイしたときは胸がしっかり張れ、腕が耳の横につき、身体はまっすぐになるところが、「両手を挙げる」という動作において主に動いてほしい部位が動かず、腰が動いてしまうという問題が起こります。手を挙げることに、腰を反るという代償動作が入ってしまうのです。

 

少し専門的な話になります。

 

両手をバンザイするとき、肩が動くのに伴い肩甲骨は「後傾」という後ろに傾く動きをします。肩甲骨が後傾する際に、胸椎は「伸展」という、反らすような動きをします。しかし肩甲骨を後傾するのを邪魔するような筋肉の緊張があったり、胸椎を伸展させる関節がもともと動いてなかったりする事があります。

 

 このまま日常生活を送る、また、トレーニングをするとどうなるでしょうか。

 

日常生活において、両手を挙げる事は頻繁にあります。洗濯を干す、ハンガーをクローゼットにかける、上の棚に入っているものを取ったり掃除をしたりするときに手を挙げる運動をします。トレーニングではラットプルダウン(主に背中、広背筋、僧帽筋、大円筋、小円筋、脊柱起立筋群を鍛えるマシン)の機器を扱ったり、ダンベルを持ち上げたりと、手を挙げる回数は頻繁にあります。

 

その一つ一つの動作に小さなストレスが重なり、ケガや肩こり、腰痛などといった不調を引き起こすものとなってしまいます。

 

身体の不調を良くするため、また、狙ったポイントに確実に効かせるためには、このような代償動作を無くし、正しく身体を使うことがとても大切です。

 

一人一人、身体の現在の状態も違えば、扱い方も異なります。そのため、お手本通りに実施しても、

代償動作が原因で効果が感じにくいことが出てきてしまうのです。

 

自分が正しくトレーニングできているかどうか、とても気になりますね。

  

 一人ひとり、これまでのカラダの使い方に長年のクセがありますので、一筋縄にはいきませんが、パーソナルトレーニングでは、まずは、お客様の身体評価をチェックさせていただき、クセを把握させていただきます。そして、狙った筋肉に的確にアプローチして、代償動作を起こさせないよう補助を行って、効率の良いトレーニングを実施すること、確実な成果を出すことを私たちFIRSTCLASSTRAINERSは大切にしています。

 

岩長 絵里香